【乳腺腫瘍】

犬乳腺腫瘍マイクロサテライト解析

用途
犬の乳腺腫瘍の悪性度判定。
検査の負担が小さいため、全身麻酔での手術ができない高齢犬や、手術すべきか迷う症例などに適した検査。
検査内容
犬の乳腺腫瘍の検査には細胞診や手術後の病理検査などがありますが、本検査は手術前の針生検材料でできる、犬にも負担の少ない遺伝子検査です。犬の乳腺腫瘍の悪性度と関連のある「ゲノム不安定性」に着目した遺伝子検査であり、特異性が高く、本検査で陽性と判定された腫瘍組織は、病理検査において悪性と診断される可能性が高いことが示されています(特許第5895290号)。高齢犬等における手術適応の判断材料の一つとして有用です。

  • 針生検材料で検査できるので・・・高齢犬などにも負担が少ない
  • 遺伝子検査なので・・・主観が入りにくく客観性が高い

乳腺腫瘍の手術に迷ったら、犬乳腺腫瘍マイクロサテライト解析を活用

ゲノム不安定性の有無は、「マイクロサテライトマーカー」を調べることで判定します。腫瘍組織と正常組織のマイクロサテライトマーカーを比較し、両者で異なるピークパターン(下図の赤矢印)確認されれば、その腫瘍組織でゲノム不安定性が起こっていることを意味します。
犬乳腺腫瘍マイクロサテライト解析における、ゲノム不安定性陽性例
犬乳腺腫瘍マイクロサテライト解析における、ゲノム不安定性陽性例
ゲノム不安定性が見られた乳腺腫瘍組織では、病理組織検査で悪性と診断される割合が顕著に高いことが明らかにされています。具体的には、病理組織検査で悪性と診断された乳腺腫瘍組織では79.2%がゲノム不安定性が陽性(悪性腫瘍の検出感度)であったのに対し、良性では4.5%(特異性95.5%)のみが陽性でした。
犬乳腺腫瘍マイクロサテライト解析における、ゲノム不安定性の陽性率のグラフ
ゲノム不安定性陽性率



悪性の乳腺腫瘍では、高いゲノム不安定性陽性率を示します
対象
全犬種
報告様式
「陽性」 「陰性」
材料・検体量注意事項
 腫瘍部位と正常部位の2検体が必要です。
<腫瘍部位>
 ○FNA、FNB・・・0.3ccの生食に懸濁
 ○病理標本・・・パラフィン切片を厚め(5μm以上)に薄切したもの数枚
 ○その他切除病変
<正常部位>
 ○EDTA全血(腫瘍を含まないもの)(推奨)・・・0.3cc
 ○口腔粘膜スワブ
輸送方法
冷蔵 (病理標本は室温でも可)
検査日数(営業日換算)
10日
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*ご利用に際しましては技術情報の留意点を必ずご確認ください。特許取得済

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